みなさんは覚えてますか?
南海本線を使ってミナミに遊びに出るとき、大和川の手前にあったあの景色。
赤レンガ造りの工場が、大和川を挟んで堺側の一帯にずらーっと。
その昔、ここには日本の化学産業の黎明期を支えた、大きなセルロイド工場があったのでした。
明治時代に建てられたその工場群は、戦争の時代をくぐり抜けました。
1982年8月には、死者を伴う大きな爆発事故もありました。
そして2008年、大和川の整備事業に伴い、とうとう取り壊されることに。
跡地にはでっかいショッピングモール。日本全国に散らばる、ツツジ色のあの看板。
地元住民や建築家の強い要望があって、1棟だけ、建物が残されることに。
画一的なモールの外装とは真逆で、洒脱だけれどずっしりとして。
大先輩のその建物は、モールの裏でひっそりと、素敵なイタリアンレストランに変わって営業中。
そんなショッピングモールからすこし離れたところにも、当時の面影を残した、こんな公園が。
この公園、なんと入口が、立派な赤レンガ造り!
正面と側面が、重厚なレンガで囲まれてて、屋根型の三角形あり、飾り窓までついて!
こんな公園でおままごとしたり、探偵ごっことか、やりたかったなぁ。
何よりも感じるのは、赤レンガの街並みへの誇りとか、敬意とか。
何もかも更地にして無機質に塗り替えられていく中で、私は忘れないよと言わんばかりのこの公園。
この本に名前があってもおかしくないような場所が、堺にあるよ。
0コメント